バカとテストと催眠術～工藤愛子をハメる作戦～

１６日目ＰＭ４：００　文月学園校舎内

「人を罠にかけるのは気が進まんのじゃが、おぬしの頼みなでは仕方ないのう」

「悪いな、頼むよ」

「あ、あぁ。引き受けたからには任せておれ」

「作戦はこうよ―――」

三人は工藤愛子を罠に嵌め、堕とすための作戦を話し合っていた。
前の晩に秀吉も新たな暗示を与えられ、玄児の頼みであれば道徳的感情が薄まりなんでも協力するようになっている。

作戦はシンプルなもので、おびき寄せて取り押さえるというものだ。
もちろん人気の少ない場所で、かつ１人で来るようにしむける必要があるし、警戒しているであろう彼女を油断させることも必要だ。
それらをクリアする手順や下準備も優子はすでに済ませていた。

「それじゃあさっそく実行といきますか！」

三人は人の少なくなる夕暮れまでそれぞれ時間を潰してから、Ａクラスの前で再び集合した。
そして、さもこっそり移動するように見せかけて体育館倉庫へと移動を始める。

その光景を、ターゲットである工藤愛子がちゃんと見ているのを確認しながら―――




「さぁーて、彼が何をしているのか……今日こそ掴んじゃおうかな♪」

待ってましたとばかりに三人を尾行する愛子だった。



つづく