インフィニットストラトスMC【EPISODE28 盲信】
IS 〈インフィニット・ストラトス〉 - 2016年12月12日 (月)
[12月12日]主な登場人物『篠ノ之箒』
『盲信』
「ブラを外してデートすればいいんだな……そうすれば一夏がもっと私を好きになってくれる……」
「そうそう。せっかく大きい胸があるんだから、アピールに使わない手はないよ」
「は、恥ずかしい……恥ずかしいが……!お前が言うなら……その、ノーブラでデートして……みる」
「絶対上手くいくから大丈夫だよ」
箒はすっかり令次に相談しないと物事を決められなくなっていた。
複雑な感情は抱いていても、もはや令次の言うことなら大概の事は拒否しなくなっている。
良いことは全て令次のおかげであり、悪いことは全て令次の指示に従わないか、指示を仰がなかったからという風に関連付けられた毎日を送っていればそれは当然とも言えた。
彼女からすれば、良い結果は全て令次のおかげと思っているので異常な内容でも盲目的に信じざる負えない。
自分でも気づかないうちに箒は令次に対して心酔し始めていて、正気を失いつつあった。
この日も一夏とのお忍びデートの前に、服装や食事をどうすればいいかを聞きに来たのだ。
ノーブラでデートに臨めば、鈍感な一夏も胸に注目してもっと好きになってくれると言われ、それに従ったのだ。
―――
―――
―――
デートが終わり、一夏とは別のルートで学園に戻ってきた箒は、ロッカールームで悶えていた。
ゴンッ
「一夏があんなに私の事を可愛いと褒めてくれるなんて……」
「あぁ……恥ずかしかったがあいつの言う通りノーブラでデートに行って良かった……」
一夏とのデートが大成功に終わり、箒はさらに令次への信頼を深めていた。
もっとも当の一夏は箒がノーブラであることに気付いてはいなかった。
箒を褒めたのは、令次との会話の中で言われたことをそのまま実行していただけにすぎなかったのだ。
『武久令次が思うに、一夏はデートする相手の事をたくさん褒めなきゃいけないよ』
暗示によって褒めるようにされているとなど思いもしない箒にとっては、令次の言う通りにして成果が出たとしか考えない。
令次が箒に与えるアドバイスはさらにおかしなものへとなっていく。
「ほ、箒のパンツ!?」
「あぁ。一夏、お前には明日一日これを履いて欲しい」
「履けるわけないだろ!?」
「いいから言う通りにしろっ」
「わ、私だってこんなことを頼むのは恥ずかしいんだ」
「た、確かに言ったからな。明日履いてこいよ。じゃ、じゃあな!」
「ちょ、箒!……はぁ、いきなりどうしたんだよアイツ……」
一夏が渡されたパンツを履くことなどできるわけもなく、翌日になって箒を激怒させることになる。
「履いてこなかっただと!?」
「無理に決まってるだろ!!」
「問答無用!!」
「グハッ!?」
有無を言わさず一夏を蹴り上げ、悶絶させる。
蹴られた瞬間、一瞬だが一夏の目には箒が下着を履いていないように見えた。
箒の不可解な一連の行動は本人的にはちゃんと意味があり、それは午後の授業で成果として現れる。
「出来た……!」
「凄いですね篠ノ之さん!前回からスコア200点アップですよ!」
それまで苦手としていたカリキュラムで高得点を出すことに成功した箒。
これも彼女的には令次の言う通りにした結果であった。
自分でも驚くほどの成果に、思わず心が躍ってしまう。
放課後になっても箒はずっと機嫌が良く、それだけ嬉しいことだったのだ。
「まさか一夏にパンツを渡し、自分はノーパンで過ごすことでこれほど点数があがるとはな」
「一夏がパンツを履いて来れば300点アップも夢じゃないと言っていたが、あいつの予想通り一夏は私のパンツを履いてこなかった」
「その場合は200点くらいアップと言っていたが……そこまで的中するとは……」
「武久令次……本当に凄い奴だ」
「あいつ……いや彼の言うことは正しい……!」
「全て……何もかも、正しいんだ……」
この日を境に、箒は加速度的に令次への信頼を深め、心酔していくようになる。
その心は、武久令次の盲目的信者のそれになりつつあった―――
「一夏さえ私の言うことを聞いていれば……」
「一夏が彼の言うことに従わないから……」
「一夏のせいで……」
つづく
【キャラクター紹介】
【篠ノ之 箒】
一夏から事情を聞き、陰でこっそりと付き合っている。
今は浮かれる気持ちを必死に隠そうとしている。
一夏が操られていること、自分も操られていること、そのどちらにも気付いていない。
毎晩無意識にその日したことや思ったこと全てをメールで令次に報告している。
その返信メールは読んだら削除し、その内容は暗示と同様にかならずその通りになってしまうようにもなっている。
現在は毎晩オナニーをして、クリトリスを重点的に弄るようになっている。
朝は日課として自分の下着姿を令次に写メしているが、それも無意識である。
ルームメイトの鷹月静寐に催眠を施した。
クンニ勉強法を取り入れている。
成功は全て令次の助言に従ったからという認識にされ、同時に失敗は助言の通りにしなかったからと思わせられている。
毎日事細かく全ての行動と結果が令次の助言に関連付けられていることで、自然と令次に心酔し始めた。
導入キーワード:アルミ製のこんにゃく
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